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Polyimide NEWS

UBEポリイミドパウダーの特徴と用途

2025年9月10日

1.はじめに

UBEのポリイミド製品は、ワニス『UPIA®』、フィルム『UPILEX®』、パウダー『UIP®』の3つのタイプがあります。各製品ともに自社で生産したBPDA(ビフェニルテトラカルボン酸二無水物)を主原料とし、各社ポリイミド樹脂の中でもトップレベルの耐熱性、電気絶縁性、機械的特性、耐薬品性を持っています。
このコラムでは、パウダー『UIP®』を取り上げ、その製法、特徴、用途について説明します。

2.パウダー製品のラインナップと特徴

当社のポリイミドパウダーは、UIP®-R、UIP®-S、およびUIP®-SAの3つのグレードがあります。平均粒径は10μm前後であり、いずれも5%重量減少温度で600℃前後であり、ポリイミド樹脂製品の中でもトップレベルの優れた耐熱性を有しています。

3.用途

当社ポリイミドパウダーは図1に示すように主に3つの用途があります。

  • ポリイミド成形体原料
  • ダイヤモンド砥石のレジン
  • 添加材

ポリイミド成形体原料は上記の3つの用途の中で最も需要の大きな用途です。熱間圧縮成形で大型の成形体ブロックを作製し、スライス加工や切削加工を経て半導体製造装置の部品、半導体テストソケット、航空宇宙・産業機械向けの部品など広く使用されています。
ダイヤモンド砥石のレジンとしても古くから採用されています。一般にレジン砥石と言えば、バインダとしてフェノール樹脂を使ったものが多いのですが、フェノール樹脂では耐熱性が足らない過酷な用途向けに採用されています。近年、切削や研磨が難しいワークや、切削水が使用できないワークが増えてきており、UIP®の引き合いが増えています。
添加材としては、フッ素ゴムやシリコンゴムなどのクリープ変形を抑える目的で、Oリングなどのシール材や摺動材向けに使用されています。また、UIP®は耐熱性が高く、耐薬品性も比較的良好なことから、PFAS規制に関連したフッ素樹脂の代替などでも引き合いが増えています。

図1:UIP®の用途例

ポリイミド成形体原料: ICテストソケット、リフトピン、すべり軸受 など

各種成形体部品

バインダ:ダイヤモンド砥石、ダイシングブレード など

ダイヤモンド砥石

添加材:Oリング、パッキン、潤滑油 など

Oリング・パッキン

4.おわりに

このコラムでは、パウダー『UIP®』を取り上げ、特徴、用途を説明しました。UIP®の特徴をイメージいただけたのではないでしょうか。自社の製品開発にUIP®を試してみたい方は、問い合わせフォームからご連絡をお待ちしています。