
自然だけに頼らない、新しい循環を発明できるか。
気候変動が進み、これから人々が直面しうる過酷な環境。
それでも、周囲にあるものを資源化することで、自然だけに頼らない循環する暮らしを実現できないか。
そんな問いを出発点に立ち上がったのが、この「THE CIRCULAR CO2NDOMINIUM:循環する共同生活空間」です。
CO2を資源化して、未来の暮らしをつくる。
新パーパス「希望ある化学で、難題を打ち破る。」を起点に始動した本プロジェクトは、
UBEが研究開発を進めている先進技術を活用し、未来の循環する共同生活空間を具体化しました。
完成したプロトタイプは、山口県宇部市にある U-Square(ショールーム)に展示されています。
テクノロジー
希望ある化学を結集し、新しい循環を実現する。
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CO2分離膜
パラボラのように広がる構造体は、糸状の「分離膜」が編まれたもの。ひとつひとつの糸は内部が中空のパイプ構造になっていて、この中を空気が通る際に、大気からCO2のみを分離し回収します。こうした気体を分離する膜は、UBEがすでに実用化しているものです。
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電解リアクター
集められたCO2は、電気の力でエチレンなど他の物質に変換されます。
UBEは、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)のムーンショット型研究開発プロジェクト「電気化学プロセスを主体とする革新的CO2大量資源化システムの開発」に参画し、この技術を研究しています。 -
材料生成
電解リアクターで生成された物質は、ポリエチレンやポリウレタンなどの高分子に変換。強化樹脂として活用することで、家の建材をはじめ、CO2NDOMINIUM内のさまざまな資源として活用します。こうした物質の化学変換は、UBEが従来より開発を進めて事業化している領域です。
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ライフサイエンス
さらに、こうした循環する生活を構想する上で欠かせない、食料や医療の課題に対しても、UBEは細胞培養技術や微生物活用で応えることを目指して、研究を進めています。

ファシリティー
新しい循環で、未来の暮らしをデザインする。

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I.住宅
物質化されたCO2由来の資源を、家の外壁や家具の材料として活用。
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II. エネルギー貯蔵庫
CO2回収や変換の過程で生まれる水素やメタンは、生活や移動を支えるエネルギー源に。
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III.農場
バイオテクノロジーの力も活用し、過酷化する地球環境においても農作物の栽培を可能に。
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IV.医療ラボ
微生物の活用や細胞培養の技術によって、その場で創薬や治療を可能にする器具や設備を常設。
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V.食料ファクトリー
培養技術で動物性タンパク質を生み出し、必要な栄養を摂取できる未来のライフスタイルを実現。
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VI.リサイクルセンター
過酷な環境で劣化した外壁や資材は、
化学レベルで分解し、バイオテクノロジーの力も活用して再資源化。ふたたび使用できる素材へ。
共創で、新しい価値をつくる。

本プロジェクトは、UBEみらい技術研究所メンバーを中心に、専門領域が異なる外部パートナーの AATISMO や Droga5 Tokyo, part of Accenture Song とともに推進されました。
複雑化する未来で待ち受けている難題を打ち破るには、異なる視点を持つパートナーとの積極的な共創が必要不可欠であると考えています。
世の中にはたくさんの挑むべき難題があります。資源循環に限らず、医療、農業、モビリティなど、業界の枠を越えるコラボレーションで、ともに難題を打ち破り、未来のあるべき姿をかたちにしていきませんか。



お問い合わせ先
私たちは、社会や未来に存在するさまざまな課題の解決へ向けて、共創パートナーを探しています。 以下フォームより、お気軽に問い合わせください。