環境 環境貢献型製品・技術

概要

UBEグループでは、製品・技術のうち「使⽤段階」、「顧客のサプライチェーン」で地球環境に貢献するものについて、ISO14001:2015 改訂版を基に策定されたUBEガイドラインにて評価を行い、基準を満たしたものを「環境貢献製品・技術」として社内で認定しています。

環境貢献型製品・技術の開発を推進し、より多くのお客様に提供することで、UBEグループおよび社会全体のカーボンニュートラルへの貢献を目指します。この実現に向け2030年度までにこの環境貢献型製品・技術の売上高比率60%以上の目標を掲げています。

この環境貢献型製品・技術のなかにカーボンニュートラル(CN)やサーキュラーエコノミー(CE)に貢献する製品が含まれており、その中でも特に優れた性能を有する製品を環境製品ブランド「U-BE-INFINITY®」と認定しています。

  • 環境貢献型製品・技術、CN・CEに貢献する製品、環境製品ブランドの位置付け
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  • UBEグループ 環境貢献型製品・技術連結売上高 推移※1
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    • ※1UBE三菱セメントグループに移管されたセメント関連事業は除いています。
環境貢献型製品・技術 連結売上高比60%以上にするためのタイムライン
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主な環境貢献型製品・技術

UBEグループの主な環境貢献型製品

  • ポリイミド

    高耐熱性、耐薬品性などを兼ね備えたポリイミド樹脂は、電子機器などに広く採用されています。

    選定理由
    • TV向けCOF(Chip On Film)フィルム:消費電力の低減に貢献。
    • フレキシブル太陽電池向けフィルム・リチウムイオン電池負極向けバインダ・EVモーターの絶縁用途向けBPDA(ビフェニルテトラカルボン酸二無水物):CO₂排出量の削減に貢献。
    • 水系ポリイミドワニス(有機溶剤フリー):VOC(揮発性有機化合物)排出量の削減に貢献。
  • 分離膜

    ポリイミド製の中空糸を使い、混合ガスの中から特定のガスを効率よく取り出すガス分離膜です。

    選定理由
    • 脱炭酸膜:バイオガス(メタン)中の CO₂除去
    • 脱水膜:バイオエタノールの水分を除去
    • 水素膜:水素の高純度化、SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)やバイオディーゼルなどの製造にそれぞれ使用され、化石資源の代替や使用量削減に貢献。
  • セラミックス

    UBEの窒化珪素は、独自のイミド熱分解法を用いて製造される高品位粉末です。原料粉末に要求される最適な特徴を備えており、微細構造の制御が可能なため、高い焼結体特性が得られます。

    選定理由
    • 軸受用途:再生可能エネルギーである風力発電機軸受、EV 用モーター軸受
    • 基板用途:EV 用インバーターモジュール基板材料 EV 普及に貢献。
    • 蛍光体用途:照明用 LED に使用され、使用エネルギー削減に貢献。
  • セパレータ

    宇部マクセルのセパレータは乾式製法による均一な微細孔構造を持つポリオレフィン多孔フィルム。主にリチウムイオン電池を構成する部材として、長年、幅広い分野で多数の採用実績があります。

    選定理由
    • HEV、BEV など次世代自動車や発電所向け電力貯蔵システムでの使用で化石資源使用量、CO₂ 排出量の削減に貢献。
  • 高機能コーティング

    UBEの高機能コーティング製品には、PCD(ポリカーボネートジオール)、PUD(ポリウレタンディスパージョン)、オキセタンなどがあり、耐久性・環境性能に優れています。

    選定理由
    • PCD:高耐久なポリウレタン製品原料。ウレタン製品の長寿命化に寄与。
    • PUD:水性ウレタン塗料への切替によりVOCを抑えた環境配慮型塗料。ピロリドンやスズを含まない新製品で有害物質も低減。
    • オキセタン:エポキシやアクリル化合物に比べ低毒性。VOC 発生源となる有機溶剤不使用の無溶剤の硬化性製品に使用可能。硬化時のエネルギーも削減。
  • C1ケミカル

    BEVやPHEVなどに搭載されるリチウムイオン電池の電解液溶剤として使用されています。

    選定理由
    • リチウムイオン電池電解液原料としてBEV・PHEVへの使用で化石資源使用量や、CO₂排出量の削減に貢献。
  • エラストマー

    UBEのエラストマー事業は、ゴムの代表品種の一つであるブタジエンラバー(BR)、中でもコバルト触媒で重合されるハイシス BR を製造・販売しています。

    選定理由
    • 自動車用タイヤの低燃費化、省資源化に貢献。
  • ナイロンコンポジット

    ナイロン樹脂の特性を活かし、お客様のご要望に応じた高性能樹脂を提供しています。またバイオマス原料や再生材などを原材料としたコンポジット製品の開発を積極的に進めています。

    選定理由
    • 自動車部品の樹脂化による軽量化やEV向け製品の開発によりCO₂排出量の削減に貢献。
    • さらに、植物由来や再生材などを原料とするコンポジットの普及を通じて、循環型社会と地球温暖化対策に貢献。

環境製品ブランド「U-BE-INFINITY®」

U-BE-INFINITY ロゴ

当社グループは2024年4月に、環境製品ブランド「U-BE-INFINITY®」を立ち上げました。当社グループが展開する「環境貢献型製品・技術」のうち、特に優れた環境貢献を示す製品・技術に対して当ブランドを付与することで、対象となる製品・技術の付加価値を高めます。

ブランド名には、「当社はステークホルダーと共に無限(INFINITY)な社会発展を実現する」という思いを込めています。また、ロゴマークでは、地球環境問題の解決のため、現状に決して満足せず変化を続けていく決意を様々な色で表現しています。

また「U-BE-INFINITY®」は、GHG排出量の削減によるカーボンニュートラルへの貢献、再生材・バイオマスの利用等による省資源化やリサイクルの簡易化に資する製品及び技術等を対象としたブランドです。

ブランド認定製品の認定基準:客観性と環境貢献性

ISO14001:2015改訂版をもとに策定したUBEのガイドラインにて認定される「環境貢献型製品・技術」のうち、客観性評価及び定量的な環境貢献性評価を織り込んだ基準をクリアした製品・技術を環境製品ブランドとして認定します。

審査および認定は、UBEグループの地球環境問題に関する課題の把握や対策を講じる地球環境問題対策委員会(経営会議の下部組織)にて行い、みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社に外部アドバイザーとして参加いただくことによって、透明性を担保しています。

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認定済み製品・技術および対象となる開発品や製品・技術

認定済みの新規製品

認定済みの新規開発品

今後展開予定の開発品や製品・技術

EPISODE

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欧州を含めた多様な部署から若手社員を中心にメンバーが集まり、世界共通の課題である地球環境問題に対して我々UBEが何を行うべきか、事業や職種、国境を越えて議論を重ねました。

実際の運用を視野に入れて、社内の意見をロゴデザインや認定基準に反映する難しさもありましたが、UBEの想いと希望を込めたブランド内容に仕上げました。